東京動物園協会は、戦後まもない昭和23 年に「動物に親しみ、動物愛護の心を養うことはヒューマニティーヘの最短距離の一つと信じ」「民衆的な動物園事業の健全な発展を熱望」(設立趣意書より)して設立されて以来、動物園事業の発展振興と動物愛護思想の普及を目的として、各種事業を意欲的に推進してきました。
昭和27年1月には高松宮宣仁親王に、平成元年8月には常陸宮正仁親王に総裁へのご就任を戴き、一歩一歩着実に事業を展開しています。
昭和61年には東京都の監理団体となって都立動物園の管理業務の一部を受託し、さらに平成18年4月からは、都立動物園・水族園4園において、「指定管理者」として飼育業務を含む事業運営を全面的に担っています。そして、平成22年4月には当協会の実施する事業の高い公益性が認められ、「公益財団法人」として認定され、現在にいたります。
平成30年11月、東京動物園協会は協会創立70周年を迎えました。設立当初の想いを引き継ぎながら、動物園・水族園の発展振興と人と動物の共存に貢献していきます。
東京動物園協会では、2つの事業「公益目的事業」、「収益事業」に区分され、さらに「公益目的事業」には「指定管理事業(都立動物園・水族園の管理運営事業)」と「固有事業(協会が独自に運営する事業)」が存在します。なお、収益事業で得た利益は固有事業の運営資金として活用されます。
公益目的事業(指定管理事業)
- ●動物の飼育・展示
- 動物の健康に配慮した飼育管理と、動物の特性を引き出す展示をめざします。
- ●野生生物の保全
- 野生生物の保全に取組むとともに、生物多様性の重要性を発信しています。
- ●教育普及
- 動物やその生息環境について楽しく学べる機会を提供します。
- ●利用者サービス
- サービス向上の取組みと、イベントの展開や広告宣伝による利用促進を行います。
- ●安全・安心の確保
- 安全で快適な施設の維持管理に加え、災害に対する危機管理を行います。
公益目的事業(固有事業)
- ●東京動物園協会友の会の運営
- 動物園における教育普及事業として観察会・見学会・講演会等の開催や普及誌の発行を行っています。
- ●出版物の発行
- 雑誌「どうぶつと動物園」等の発行を通じて動物や動物園・水族館に関する情報を発信しています。
- ●図書資料の収集・公開と映像記録資料の制作
- 動物や動物園に関する図書資料の収集・公開と動物園事業の記録のため写真や動画の撮影を行い、活用しています。
- ●基金事業の運営
- 域内保全活動を主に支援する「野生生物保全基金」等、民間協働による基金活動を行います。
収益事業
- ●ギフトショップの運営
- 園内のギフトショップの運営やオリジナル商品の開発を行います。
- ●レストラン・フードショップの運営
- 園内レストランやフードショップの運営やメニュー開発を行います。
- ●その他のサービス
- ベビーカーの貸出しなどの来園者サービスを行うほか、オリジナルグッズの通信販売を行います。
東京動物園協会では私たちの使命に基づいた、3つの基本方針を掲げています。
その3つの基本方針を達成するため、4つの視点に基づいた具体的な取組みを推進しています。
- 希少種を中心に飼育動物の繁殖に力を入れ、国が推進する保全活動にも積極的に協力することで、
動物園外にも保全活動を広げ、生物多様性の保全に貢献していきます。 - 来園者が野生生物本来の魅力を実感できる展示を実現します。
また、来園するたびに新しい発見がある、新鮮な動物園をめざします。
教育普及スタッフや飼育展示スタッフなど園内スタッフが来園者の発見をサポートし、誰もが動物のことを学べる場を提供します。 - 「安心、安全、快適」が、最も重要な来園者へのサービスと考え、より良い施設管理を実現します。
園内のサイン、解説パネル、休憩施設などの整備を進め、積極的に来園者とのコミュニケーションを図り、親しみやすい雰囲気づくりを心がけます。 - 活気あふれる動物園をめざし、様々な工夫を行っていきます。
基金事業をはじめとする都民や民間企業との協働による企画などを積極的に推進します。